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これほど「愛という名のエゴ」という言葉にふさわしい例はないでしょうね… [リーザ日記]

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皆様、どうも今晩は。
今宵は私、リーザ=F=グレイスの日記とさせていただきます。
今回も不愉快な類の話題となります故、
その辺りをご了承いただける方のみ、「続きを読む」以降をご覧下さいませ。



さて、今回の話題はこちらです。
以前、奈良で、車椅子の女児が、普通の市立中学に編入した話題を紹介いたしましたが、
今回は千葉で、脳性まひの男児が普通の中学校に通っているという内容です。

…このご両親の、子供に対する愛と、そのために払ってきた努力は本物だと思います。
6年間毎日学校に付き添い、我が子の介護をしつづけた母親は本当に大変だったでしょうし、
その点は素直に驚嘆と賞賛に値するものだと思っています。
ですが、やはりそもそもこのご両親の考え方自体に大きな矛盾を感じる、というのが正直なところです。

このご両親は、「障害を特別扱いしないで」という考えを基に、子供を普通の小学校、中学校に
入れました。しかし、実際には6年間つきっきりで母親が介護しつづけ、最終的には
「この子供のためだけに(恐らく市税を使って)巡回介護士を派遣している」のです。
これが特別扱いでなくて何なのでしょうか。

また、このご両親は、中学のテストで零点をつけて貰った事に喜んでいます。
確かに、一見平等に扱ってもらっている、というようにも見えるでしょう。
しかし、それは本当にこの子にとって幸せなことなのか、甚だ疑問です。
先の奈良の女児に関しては、車椅子で学校生活に不都合があるものの、
精神や脳に障害を持っているわけではなく、本人が努力さえすれば、
体育以外は同じ内容の学習を適性に理解することができます。
ですが、こちらの男児の場合は脳性まひで会話が出来ず、
ほぼ間違いなく中学校の勉強についていけていないのです。
恐らくですが、小学校での勉強内容すら身に着いていない可能性すらあります。
想像してみてください。幼稚園児に無理矢理中学校の授業を受けさせ、
零点を取らせて「公平に扱ってもらっている」と本当に言えるのでしょうか。
普通に幼稚園に通わせていれば、同年代の子と一緒に
幼稚園児に適正な教育を受けさせることが出来、
年齢相応の知性を養うことが出来たのに、です。
要するに、このご両親は、「平等に扱って欲しい」余りに、
誰よりも特別扱いを要求し、それに気付いていないのです。

養護学校は、この男児のような「同じ境遇の」子供たちが集う場所です。
もちろん、その障害の程度にも寄りますが、普通の中学校で行う授業よりは
その子にあわせた適正なレベルの教育を、
しっかりと身に着くまで丁寧に行うことが出来ます。
障害者を「排除」しないため、普通課と「区別」することで、
平等に教育を施すために作られた施設なのです。
幼稚園児を中学に入学させられないこと、男性が女性更衣室に入れないこと。
これが「区別」です。区別と差別は全く違います。
3~5歳の児童が幼稚園に行くことが恥ずかしいことではないように、
養護学校に通うことは何ら恥ずかしいことではありません。
それを嫌うのであれば、誰あろうこのご両親こそ、
ご自身の子供以外の障害児を差別する冷酷な差別主義者です。
ご両親が尽力すべきは、養護学校に対しての偏見をなくすこと、ではないのでしょうか。

あと2年経ち、(恐らく中学での教育内容を全く理解しないまま)卒業した後
この男児は一体どうなるのでしょうか。
このご両親は平等を訴えつづけ、公立高校・公立大学に通わせるのでしょうか。
適正な教育を受けた、同じ境遇の子供たちが就職した時、
無理な学習を強いられ、理解できないまま過ごしてきたこの男児は
本当に社会に適応できるのでしょうか。
その時、還暦を迎えているご両親達は、どこまでこの子を支えることができるのでしょうか。
そこでまた行政に救いを求めるのであれば…それは適性に学び、その結果、
自立して生活している全ての障害者たちに対しての侮辱ではないのでしょうか?

この男児が、少しでも幸せな生活を送ることを祈念しつつ、今宵はここまでにしておきたいと存じます。
今回も長文に最後までお付き合い頂き、有難うございました。
それでは皆様、おやすみなさいませ。


2011-01-19 01:48  nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

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